紙・板紙の国内需要は、2008年まで3,000万トン台で推移していたが、リーマン・ショック後の2009年に大幅な落ち込みを記録し、以降は減少基調で推移している。
紙については、デジタル化等の積極的な要因により、グラフィック用紙(新聞用紙+印刷・情報用紙)を中心に減少が続いている。一方、板紙については、コロナ禍以降のeコマースの普及等を背景にパッケージング用途の需要が高まり、比較的堅調に推移してきた。
2024年の紙・板紙の国内需要は、諸資材価格上昇による需要家のコスト削減や消費者の買い控え等の影響を受け、前年を下回る結果となった。グラフィック用紙は、ユーザーのコスト削減により需要が減少したのに加え、近年堅調に推移していたパッケージング用紙(包装用紙+板紙等)も需要家のコストダウンを目的とする包装資材削減や軽量化の進展等により減少した。衛生用紙については、コロナ禍以降の衛生意識の高まりに加えて、能登半島沖地震、南海トラフ地震臨時情報を受けた防災備蓄による需要等から堅調に推移した。
2024年の紙・板紙の貿易動向は、輸入は前年比2.8%減の79万トン、輸出は前年比8.9%増の189万トンとなった。
需要推移
紙・板紙内需

生産量の推移
生産量の推移

輸出入の推移
輸入

輸出
