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環境への取り組み

木材調達に対する考え方|製紙産業のスタンス

「持続可能な森林経営」に基づく活動

森林の種類

森には稀少な生物や生物多様性の維持のために「保存すべき森林」と、産業用の原材料の供給のために活用する「生産林」があります。製紙産業が原材料として使用する木材はもちろん後者によるものですが、さらにこうした「生産林」も、単に伐採するだけでなく、適切な伐り方、残し方をすることで、森林をうまく循環・活性化させていく必要があるのです。

適度な伐採、更新によるメリット例 自然放置によるデメリット例
樹齢の若い森林の高いCO2吸収による地球温暖化防止 老齢樹の倒壊による山火事の危険性
老齢樹増加によるCO2吸収効果の低減

「持続的な森林経営」とは?

「持続的な森林経営」と呼ばれるこの考え方は、世界的に環境保護機運が高まった1990年代から重視されるようになりました。平成4年にリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」における「森林原則声明」を踏まえ、森林生態系の健全性を維持し、その活力を利用して、人類の多様なニーズに永続的に対応できるような森林の取り扱いを行おうという考え方に基づいています。「森林原則声明」においては「森林資源及び林地は現在及び将来の人々の社会的、経済的、生態的、文化的、精神的なニーズを満たすために持続的に経営されるべきである。これらのニーズは、木材、木製品、水、食糧、飼料、医薬品、燃料、住居、雇用、余暇、野生生物の生息地、景観の多様性、炭素の吸収源・貯蔵源といった森林生産物及びサービスを対象とするもの」とされています。

実現へ向けての具体策

わが国ではこれを具体化するため、米国・カナダ・ロシア・中国等と共に欧州以外の温帯林等を対象とした「モントリオール・プロセス」と呼ばれる国際的作業グループに参加しています。「モントリオール・プロセス」では、「持続可能な森林」の達成状況を評価するため、基準等が合意されており、現在、その適用に向けた国際的なフォローアップ作業が進められています。また、各国、各地の事情を尊重しながらも、より普遍的な価値観に基づいて森林経営のあり方を統一することを目的に出発した「森林認証制度」も「持続可能な森林経営」を維持するための施策のひとつと言えます。