王子グループでは、責任ある原材料調達実践のため、「王子グループ・サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を制定、さらに木材原料に対し「木材原料の調達指針」を定め、適正に管理された森林より生産された原料のみ調達しています。
また、国内外サプライヤーのESGリスクを評価するため、2020年度よりガバナンス・人権・労働・環境などリスク評価アンケートを開始、継続的なサプライヤーへの働きかけを通じ、サプライヤーリスクの低減を図っています。
紙パルプ業界のマテリアリティごとに、会員各社の取組事例を紹介します。
ブラジル・CENIBRA社における森林火災への取り組み(王子グループ)
近年、⼤規模な森林⽕災が頻発し、グローバルな課題として急浮上しています。こうした中で、ブラジルで植林・パルプ製造事業を展開する王子グループのグループ会社CENIBRA社では、保有する25万ヘクタールの森林において、人工知能(AI)を活用した革新的な防火システムを導入しています。森林内に、360度をカバーする回転式カメラを備え付けた監視塔を38基保持し、AIが煙や⽕を検出すると、最短距離にいる消防隊員にモニター室から連絡が⼊り、速やかに消⽕活動を行う仕組みとなっています。⼈の⽬以上に優れたAI搭載カメラにより1〜2分で正確な発⽕位置を把握できるため、森林火災リスクの大幅低減に成功しています。
持続可能な木質原材料調達への取組(日本製紙)
日本製紙株式会社は持続可能な原材料調達体制の構築に取り組んでいます。
木質原材料の調達については、違法伐採材や保護価値の高い森林資源の不使用、森林破壊ゼロを明言した調達指針に則り、サプライヤーとの対話を通じた、調達における人権配慮の確認やトレーサビリティの強化に努めています。また、国産材については伐採届の内容と実施状況の整合性を確認することで、誤伐・盗伐リスクを評価し低減する取組も進めています。
日本製紙株式会社が調達する木質原材料は全て、森林認証制度におけるFM認証*を取得した森林から産出した材、もしくはCoC認証**においてリスク評価が行われた材です。なお、同社の国内社有林(約9万ha)、同社関係会社が管理する海外植林地(約7万ha)の全てで森林認証を取得しています。
* FM(Forest Management)認証: 持続可能な森林経営が行われている森林を認証
** CoC(Chain of Custody)認証: 認証された材が適切に流通・加工されていることを認証