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サステナビリティ|取組事例

紙パルプ業界のマテリアリティごとに、会員各社の取組事例を紹介します。

気候変動問題への取組

カーボンニュートラルに向けた地域全体での脱炭素化の取組(愛媛製紙・大王製紙)

愛媛製紙株式会社と大王製紙株式会社は、地域全体での脱炭素化に取り組んでいくため、四国中央市カーボンニュートラル協議会に幹事会社として積極的に関わっています。
2023年3月に公表したロードマップに基づき、製紙産業においてのカーボンニュートラルを実現するため、多様な関係者が連携した取組を進めています。
本協議会は、事業者、自治体、地元地方銀行、地元教育機関、地元業界団体等の結節点として、地域のカーボンニュートラル実現および地域課題の解決に今後も貢献していきます。

四国中央市カーボンニュートラル協議会における
脱炭素ロードマップ

低炭素社会の実現に向けて~環境ビジョン・環境行動目標の推進(王子グループ)

王子グループは、2020年に策定した「環境ビジョン2050」の新たなマイルストーンとして、「環境行動目標2040」を2025年5月に策定しました。
「気候変動問題への対応」として、非化石エネルギー利用量の拡大による温室効果ガスの削減を行い、自社林の森林保全・植林を通じた森林の温室効果ガス吸収効果と合わせ、2040年のスコープ1、2のネット・ゼロ・カーボン化を達成することを目指し、以下の取組を推進しています。
※森林吸収による排出量相殺に上限は考慮しない

1) スコープ1、2 GHG排出量削減
 2040年度に2018年度対比で排出量を50%削減
 2040年度に2018年度排出量の50%相当分を森林により吸収固定
  ①エネルギー消費量削減:エネルギー消費原単位1%/年以上削減
  ②購入電力非化石比率100%:2040年度 購入電力非化石比率100%(証書利用を含む)
  ③石炭使用量ゼロ:2040年度 石炭使用量ゼロ
  ④低炭素水素などの導入開始:水素、アンモニア、e-methane(合成メタン)等
2) スコープ3 GHG排出量削減
 カテゴリー4 チップ船からの排出量 2018年度対比40%削減

GXリーグ参画(中越パルプ工業)

中越パルプ工業株式会社はカーボンニュートラルの実現に向け、グリーントランスフォーメーション(GX)への挑戦を行う企業群が官・学と協働し、目標達成に向けて取り組む場であるGXリーグに2024年度より参画。カーボンニュートラル達成を2050年として、その達成に向けたロードマップを策定しています。

GXリーグロゴマーク

「スコッティ®フラワーパック3倍長持ち4ロール」(日本製紙クレシア)

日本製紙クレシア株式会社の「スコッティ®フラワーパック3倍長持ち4ロール」は、4ロールで12 ロール分の長さを巻くことにより、コンパクト化を実現。製品輸送において一度に多くの製品を運ぶことができ、輸送効率の向上により従来品と比較してCO2排出量の削減を実現します。また、外装のプラスチックフィルムや芯部分に使用する紙資源も削減できます。

スコッティ® フラワーパック3倍長持ち4ロール

トレファクション技術と木質バイオマスの利用(日本製紙)

日本製紙株式会社は、比較的低温で木質バイオマスを炭化する「トレファクション技術」を確立しています。この技術を用いて製造した木質バイオマス燃料は、石炭代替燃料として使用することができます。さらに、この技術により耐熱性、疎水性等を付与した木質バイオマスを高配合した樹脂複合材料「トレファイドバイオコンポジット」は、プラスチック使用量を削減することができ、温室効果ガスの排出量削減に貢献することが可能です。

トレファクション技術を用いて製造した
新規木質バイオマス燃料

日本林業の切り札「エリートツリー」の全国での生産事業(日本製紙)

日本製紙株式会社は、一般的な品種と比べ成長速度とCO2吸収量が1.5倍以上、花粉量が半分以下など優れた特性を持つエリートツリー苗の量産に大手民間企業として初めて着手しました。新たにエリートツリー推進室を立上げ、林野庁や自治体、地域の生産者と連携しながら、生産事業を全国に拡大しています。エリートツリーの普及は、木質資源の安定調達・低コスト化、林業の活性化だけでなく、CO2吸収源としての森林の価値向上によりカーボンニュートラル社会の構築にも貢献します。

日本製紙 北山社有林に植栽した
エリートツリー

木質バイオマスを原料とするバイオエタノールの取組(日本製紙)

日本製紙株式会社は、住友商事(株)とGreen Earth Institute(株)と共に、合弁会社「森空バイオリファイナリー合同会社」の設立に合意しました。宮城県の日本製紙・岩沼工場にて、2027年から木質バイオマスを原料とするバイオエタノールを年産1,000kL以上製造する予定です。
このバイオエタノールは、東北地域の持続可能な木質資源を利用することで、食料利用との競合がなく、かつ化石燃料由来のCO2排出量を大幅に削減できる低炭素であることが特徴です。
SAF(持続可能な航空燃料)の原料や化学品原料として、幅広く活用される予定であり、国産森林資源循環や脱炭素社会の構築に貢献していきます。

森空バイオエタノール
左からチップ,パルプ,糖液,エタノール

JOGMECの公募においてCCS事業に係る設計作業等を受託(北越コーポレーション)

北越コーポレーション株式会社は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)より、東新潟地域における先進的CCS事業に係る設計作業等を石油資源開発(株)、三菱ガス化学(株)、東北電力(株)とともに受託しています。北越コーポレーション株式会社新潟工場の発電ボイラーで使用するバイオマス燃料由来のCO2を分離回収する設備に係る設計作業等を担い、2030年までのCCS事業の実現と、2050年までのCO2排出実質ゼロをめざします。
※CCS=工場などから排出されたCO2を分離・回収し、地中深くに貯留する技術

CCS概念図