Homeサステナビリティ取組事例 > イノベーションの推進

サステナビリティ

取組事例

紙パルプ業界のマテリアリティごとに、会員各社の取組事例を紹介します。

イノベーションの推進

医療領域への進出・木質由来の医薬品(王子グループ)

王子グループでは、パルプ製造時の副産物「ヘミセルロース」から得られる「硫酸化ヘミセルロース」を原薬とした医薬品の研究開発・事業化を目指し、2020年4月に、メディカル・ヘルスケア領域の事業を担う「王子ファーマ株式会社」を設立しました。現在、動物用関節炎治療薬の承認取得とヒト用医薬品の研究開発を並行で推進中です。すでに「第二種動物用医薬品製造販売業許可」、「動物用医薬品店舗販売業許可」を取得しており、活かした医薬品の上市、医薬品事業の立ち上げに取り組んでいます。

セルロースナノファイバーを使用した農業資材の試験販売開始(中越パルプ工業)

中越パルプ工業株式会社は、セルロースナノファイバー(CNF)を使用した新たな農業資材「nanoforest-S【アグリ】」の法人向け試験販売を行っています。農林水産省が策定する「みどりの食料システム戦略」で推進する総合防除(IPM)の「物理的防除」に対応した新しい農業資材です。農薬等の化学的防除では耐性菌の出現や環境負荷が大きな課題になっています。CNFを活用した物理的防除で、これらの課題解決への貢献を目指しています。

みどりの食料システム戦略

紙製バリア素材「シールドプラス®」シリーズ(日本製紙)

日本製紙株式会社は、長年培ってきた製紙技術と塗工技術を応用し、「紙」にプラスチック並みのバリア性を付与した環境にやさしい包装材料「シールドプラス®」を開発しました。この包材は、各種フィルムに相当するバリア性を有しており、プラスチック包材の代替として使用可能です。

シールドプラス®採用例

“紙だけでパッケージができる”ヒートシール紙「ラミナ®」(日本製紙)

日本製紙株式会社は、長年培ってきた製紙技術と塗工技術を応用し、プラスチックフィルムを用いずに、「紙」だけでパッケージができる「ラミナ®」を開発しました。この包材は、「紙」が基材で、ラミネート加工をすることなく、パッケージにすることができます。バリア性が不要な食品の二次包装や日用品、雑貨など幅広い用途での適用が可能です。

ラミナ®採用イメージ

新しい機能性材料「ミネルパ®」(日本製紙)

日本製紙株式会社は、これまで培ってきたパルプや無機物の製造などの製紙技術を応用し、循環型資源である木材パルプ(セルロース繊維)の表面に無機粒子を高密度に定着させた新素材「ミネルパ®」を開発しました。
木材パルプを基材として、パルプならではの成形性と、無機物由来のさまざまな機能を併せ持つ機能性素材です。

パルプと無機物の複合体
~消臭抗菌/難燃/X線遮蔽

先端技術を活用した森林管理の効率化(日本製紙)

日本製紙株式会社は、社有林の森林情報把握のため、ドローンや航空レーザー計測データの利用による効率化・省力化の推進を継続しています。2022年の桑崎社有林(静岡県)でのJ-クレジット認証に続き、2025年3月には湖西分収林(静岡県)での認証取得にも活用しています。今後はグループ会社の日本製紙木材と連携し、国内社有林全体の森林情報把握への展開を図ります。

日本製紙 桑崎社有林

セルロースナノファイバーを用いた環境配慮製品の開発と実用化の取組(日本製紙)

日本製紙株式会社が開発、製造するセルロースナノファイバー(Cellulose NanoFiber:CNF)「セレンピア、cellenpia®」は、木質繊維をナノオーダーまで微細化・解繊し、軽量、強い、熱安定性、優れた増粘効果や粘度特性等を持った新しい素材です。食品、化粧品、塗料、繊維、ゴム、プラスチックといった幅広い用途において、高い性能と環境配慮を両立することで、様々な製品に採用頂いております。

木の繊維をナノレベルまで細かく解した
最先端のバイオマス素材

プラスチック代替素材の開発(北越コーポレーション)

北越グループでは、プラスチック樹脂の代替品向けの紙素材の活用を広げています。紙特有の強度やしなやかさ、口に入れた際の舌触りを重視したスプーンの他、マドラーやトングもご利用いただいています。
また、リサイクル原料や再生可能な木材パルプ繊維を主原料に生産する「PASCO®」やオールセルロースの強靱な材料で製造する「バルカナイズドファイバー」など循環型経済社会に貢献する製品を提供しています。

プラスチック代替素材の開発

脱フッ素エアフィルタ用ろ紙の開発(北越コーポレーション)

北越コーポレーション株式会社は、半導体工場や病院などのクリーンルームで使用される高機能エアフィルタ用ろ紙(製品名 microfine®)を製造しています。従来は撥水撥油剤として有機フッ素化合物(以下、PFAS)を含む薬剤を使用していましたが、PFASの一部は、環境中で分解されず、人体や環境に対しての課題が表面化したことから、PFASを一切使用せず、従来製品と同等の品質を有するエアフィルタ用ろ紙を開発しました。

脱フッ素エアフィルタろ紙

高機能紙容器「Halopack®」の日本における独占製造販売契約を締結(北越コーポレーション)

北越グループの北越パッケージは、Packable社(オランダ)と、同社が世界特許を保有し約3.5億個を販売している密閉シール可能な高機能紙容器「Halopack®」の製造・販売に関するライセンス契約を締結し、日本市場における独占的製造販売権を取得しました。超高温による焼成や超低温急速冷凍等、様々な用途に対応可能な将来型紙容器です。

高機能紙容器「Halopack®

環境社会検定試験(eco検定)の推奨(丸三製紙)

丸三製紙株式会社では、東京商工会議所が主催している環境に関する検定試験である環境社会検定試験(eco検定)の受験を推奨し、合格者には褒賞を用意しています。これにより環境マインドが高まり、イノベーション促進の一翼となっています。

改善提案活動の推進(丸三製紙)

「難しく考えない」「どんな内容でも恥ずかしくない」「多少のご褒美がある」。丸三製紙株式会社では、この様な意識で、社長を先頭に構内グループ全社を上げて改善提案活動に取り組んでいます。毎年、その件数は一人当たり2件以上となる600件を超え、現場で実行されています。アイデアがアイデアを生み、アイデア実現のために個々が学び、職場が一致協力するという正にイノベーションが起こっています。

年に一度、職場よりすぐりの
改善提案を発表

淀川流通センターの開設による物流の効率化(レンゴー)

関西地区におけるレンゴーグループ最大の物流拠点であるレンゴー株式会社の淀川流通センターでは、さらなる物流の効率化に向け、AIやIoT、RFIDを活用した倉庫管理システム(WMS)やトラック誘導システム、自動リフトを導入しています。
輸送品質とサービスの向上を図るとともに、物流現場の業務改革を進め、ホワイト物流を推進しています。

淀川流通センター