環境への取り組み

紙のリサイクルに対する考え方|古紙利用の重要性

高まる古紙利用の重要性

紙は現代社会においてなくてはならない生活必需品であると同時に、産業や文化を側面から支えています。
私たちが一般に紙と呼んでいる物は、

  • 紙=新聞、雑誌、印刷用紙、コピー用紙、包装用紙、ノート、ティッシュペーパー等
  • 板紙=段ボール、紙箱等

の2種類に分けられますが、社会や経済の発展、生活文化の向上に伴い、紙の用途は多様化し、それぞれの分野でますます活用度が高まっています。経済活動の活発化と共に上昇する紙の消費量に対する原料確保の観点からも、古紙の価値は重要性を増してきているのです。

製紙産業において古紙の利用が本格的に行われるようになったのは戦後1950年代からです。最初は「板紙」から始まり1980年代になってからいわゆる「紙」にも使用されるようになりました。以降、環境意識や技術発達により古紙利用率は年々上昇し、現在の日本での古紙利用率は世界でもトップクラスの約65%に至っています。

紙のリサイクルは、ゴミ減量など資源の有効利用に大きく貢献します。このためグリーン購入法やエコマークでは古紙パルプ配合率が判断基準のひとつとされています。またFSCやPEFC(SGEC)等の森林認証制度では、認証パルプによる森林認証紙の他に、古紙による森林認証紙が認められています。

今後は紙の用途や環境への負荷を考慮した上で、古紙のさらなる利用を促進します。
さらに紙としての再生が困難な古紙は、RPF燃料としてサーマルリサイクルするなど、無駄のない活用を目指しています。

世界主要国の古紙回収率と利用率 <2021>

韓国は自国で木材からの製品があまり作られず古紙利用製品の生産が主体のため数値が高い。またドイツは古紙利用製品の輸出を行っているため同様に高い数値となっている。