愛媛製紙株式会社では、太陽光発電設備を導入し、2012年から2022年で事務所、工場内の照明のLED化を進めました。また、2021年1月に建築廃材・RPF(廃棄物由来燃料)・廃タイヤチップの混焼バイオマス発電設備を導入し、2021年2月より商用運転を開始しました。さらに、中小企業庁の“戦略的基盤技術高度化支援事業”の採択を受け、愛媛県でブランド化されている柑橘ジュースを加工する際に大量に発生する柑橘果皮をリサイクルし、化粧品や食品の原料として有効活用しています。
紙パルプ業界のマテリアリティごとに、会員各社の取組事例を紹介します。
厳しい自主管理による排水・排気の浄化の取組(王子グループ)
王子グループは、2020年に策定した「環境ビジョン2050」の新たなマイルストーンとして、「環境行動目標2040」を2025年5月に策定しました。以下を指標として、汚染物質削減に取り組んでいます。
①排水汚濁負荷の削減(測定対象会社当たり)
- BOD,COD,SS総量 2018年対比20%削減
②大気汚染負荷の削減(測定対象会社当たり)
- SOx総量 2018年度対比50%削減
- NOx総量 2018年度対比10%削減
- VOC排出原単位 2018年水準の維持
水リスクの評価と対応(王子グループ)
王子グループでは、プロジェクト、新規事業、既存事業においてWRI Aqueductを用いて水リスクの評価を行っています。既存事業において、水ストレス度と連結会社の全製造事業場の水資源投入量との関係を把握しています。
水リスクの低い地域での水消費量は、グループ全体の99%、生産量の98%を占めます。同地域の水消費量の内訳は、紙・パルプ事業が84%、段ボール加工事業などが15%を占めます。
他方、水リスクが高い事業場地域には、水消費量が少ない加工紙製造事業を保有しています。これらの高水リスク地域における水消費量と生産量が占める割合は、グループ全体の1%未満であり、当該地域における水リスクがグループ全体に及ぼす影響は軽微です。
王子グループでは、水リスクの高い地域を含め、水資源の削減についてISO14001の目標に組み入れて、PDCAを実践しています。
各事業場は、水の取水量や消費量の削減のため、水のリサイクル、操業の安定化、効率的な水利用などに継続的に取り組んでいます。