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ご挨拶

日本製紙連合会は、幾度の変遷を経て1972年に我が国紙・板紙・パルプ製造業の健全なる発展を図ることを目的に設立され、2022年に創立50周年を迎えました。この間、1970年代の2度にわたるオイルショックや1980年代の急激な円高、1990年代のバブル崩壊、2000年代のリーマンショックを契機とする世界金融危機など幾多の難局に直面しましたが、会員の皆様そして関係各所の協力をいただきながら課題解決に取り組み、日本の製紙産業の発展と振興を推進してまいりました。

今日、私たち製紙産業を取り巻く環境は大きな変化の時を迎えています。少子化やデジタル化の進展に加え新型コロナウイルスのパンデミックによってもたらされた新しい生活様式への転換は、段ボール原紙等のパッケージ用紙分野ではE-コマース等の新規分野の需要が掘り起こされた一方、新聞、印刷・情報用紙等、グラフィック用紙需要の減少を加速させる要因となり、需要構造の変化に拍車をかけることとなりました。また、持続可能な社会実現に向けて提唱されている2030年を目標とするSDGsへの取組や2050年のカーボンニュートラル実現への挑戦は、生産活動における経済分野への貢献だけでなく、社会的価値を創造する役割がより強く求められるところとなっています。

こうした状況において、紙・板紙の原料となる木材を供給する森林を「自ら植え、育て、伐り、使い、再び植える」という持続可能な循環利用を行いつつCO2吸収源として森林を維持・拡大していくとともに、一度使用された紙・板紙製品についても高度なリサイクルを行う特長をもった製紙産業は、サーキュラエコノミ―(循環経済)形成に最も近い産業と言えます。
さらに会員企業においては、再生可能資源である木材を原料にしたプラスチック代替紙製品の開発や、自動車部品や電子部品、薬品をはじめ多岐にわたる用途での展開が期待される新素材セルロースナノファイバーの開発などイノベーション創出への取組みを進めています。

1873年に渋沢栄一翁によって製紙会社が設立され、近代製紙業が興ってから150年を迎えようとしています。これまで、製紙産業は社会が変遷する中において常に時代の要請に応え、様々な紙・板紙製品を開発・供給してきました。これからも、私たち製紙産業は社会の生活に欠かせない製品を供給するエッセンシャル産業として、経済成長と持続可能な社会実現に向け貢献してまいります。

日本製紙連合会
会長加来正年