おすすめのタグ

学生×企業×NPO共創プロジェクトの集大成!
「紙の未来サステナユースフォーラム」開催レポート【前編】 その他

2026.04.28
紙の未来 サステナユースワークショップ

「紙は環境に悪い」――世間にはそんなイメージを持つ人も少なくありません。しかし、実際の紙は森林資源を十分に活用して再生利用もできる、環境負荷の少ない素材です。このイメージと実態のギャップを埋めるため、日本製紙連合会はさまざまな伝え方を模索してきました。

その一環として取り組んだのが、NPO法人アクションポート横浜・NPO法人新宿環境活動ネットとの協働プロジェクト「紙の未来サステナユースワークショップ」です。このワークショップは若い世代の学生が主体となり、企業・NPOと連携しながら、持続可能な紙産業の未来に向けたアクションを起こしていく試みです。

ワークショップは2025年8月にキックオフ(https://www.jpa.gr.jp/jpahub/details/008.html)。その後も回を重ね、2026年3月13日(金)に東京都・エコギャラリー新宿にて、最終報告会「紙の未来サステナユースフォーラム」を開催しました。参加者12名の活動がどのような実を結んだのか、その発表内容と議論を詳しくレポートします。

ワークショップの歩み

最終報告会がスタート

日本製紙連合会・鎌田広報委員長より挨拶

本ワークショップでは4回の主要セッションを開催しました。「DAY1 紙とサステナを学ぶ特別ガイドツアー」「DAY2 アイデア創発ワークショップ」「DAY3 中間報告会」「DAY4 紙の未来サステナユースフォーラム」です。

DAY1ではキックオフを行うとともに、東京都北区にある「紙の博物館」を見学。紙の歴史や製造方法を学んだ上で、「学食トレー広告の再提案」「パンフレットの見直し提案」「SNSによる広報プラン提案」の3テーマ別にチームを編成しました。

DAY2では初回の内容を振り返りつつ、グループごとにテーマ理解を深める議論を展開。続くDAY3では各グループの進捗を中間発表し、企画をブラッシュアップするため各チームや主催者等からフィードバックを受けました。

そして最終のDAY4が、各チームの最終成果を発表する「紙の未来サステナユースフォーラム」です。

当日はワークショップ参加者に加え、協力企業・団体も来場。まずは日本製紙連合会・鎌田和彦広報委員長が開幕の挨拶を述べました。
「紙は石油や石炭とは異なる、持続可能・再生可能な特性を持っています。製紙業界は森林を育てる段階から関与し、実際に使う以上の木を植え、CO2の固定や空気・水の循環にも寄与しています。
こうした循環社会への貢献や紙という素材のよさを知ってもらう活動を、日本製紙連合会は展開しています。その中に若い世代の発想を取り入れたいと考え、このワークショップを開催しました。各チームの発表を楽しみにしています」

こうして約8か月の期間という短い期間の中で、大学生活と並行しながら作り上げてきた成果がいよいよ発表の場を迎えました。

紙は悪者じゃない――グループ①「大学の学食トレー広告の再提案」

学食トレー広告チーム

紙の特性をデザインで表現

グループ①のテーマは「大学の学食トレー広告の再提案」。日本製紙連合会が大学の学生食堂で展開したトレー広告を見直し、デザイン・コピーを新たに提案するという内容です。

紙への興味・関心を深める目標のもと、まず行ったのはターゲット設定でした。紙に対する理解がまだ十分とは言えず、学食を利用する機会の多い大学1~2年生に焦点を当てます。学食のトレーに加えてポスターやパンフレットなどへの利用も想定し、紙の製造・利用のメリットを周知する広告デザインの考案を進めました。

さらに元となるPR広告を分析し、既存のものとは方向性を変えることを選択。ユニークなデザイン、読み進めたくなる文章で関心をひく構成を目指しました。その際に重視するのは「紙は悪者じゃない」というメッセージです。

グループが提案したデザイン案は2種類。ひとつは文字のみで地球のイラストと矢印を描き、その上にメッセージを乗せたデザインです。それぞれの矢印は「環境・サステナビリティ」「機能・利便性」「学習・感覚」という紙の特性を表す文章から構成します。

もうひとつは「まだ紙使ってんの?(笑)……やるじゃん」という印象的な見出しを大きく掲げ、イラストとポエム調の文章で紙の魅力を列挙するスタイル。学生の共感を誘う文言を盛り込みながら、「持続可能性」「再生利用」「記憶に残りやすい」「空間に残る」という紙の特長を強調するものです。

最後に各メンバーは「事実を確認することの大切さを学んだ」「今後も本質的な現状や課題を把握したい」と、ワークショップで得た気づきを語り、発表を締めくくりました。

各グループの発表後は質疑応答の時間も設け、「デザインの背景案を知りたい」という質問が会場から寄せられました。それに対し「1点目では地球の背景を宇宙にして雰囲気を出したい。2点目では紙をイメージした白を考えている」と回答。「食事中はトレー中央に皿が置かれ、広告が見えなくなるのでは」という指摘には、「食事前のトレーを持って移動する時間を想定している」「お茶を置くスペースにキャラクターを配置し、視線を誘導する工夫も検討した」と説明し、利用シーンを踏まえた設計が示されました。

この発表には鋭い質問が飛ぶなど、会場も熱気に包まれました。後編記事では、さらに踏み込んだパンフレット刷新案・SNS戦略を詳しくお届けします!