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「第21回手づくり絵はがきコンクール」表彰式レポート(笠間市立友部小学校/星美学園小学校)その他

2025.03.24

未来を担う子どもたちが紙に親しみ、リサイクルについて高い関心を持ってもらえるよう、日本製紙連合会は2004年から「手づくり絵はがきコンクール」を開催しています。全国の小学生を対象に、牛乳パックなどを再利用してつくったはがきサイズの紙に、自由な画材で「夏の思い出」を描いてもらうコンクールです。

応募は団体の部(クラス・学年・学校単位)と個人の部の2部門で受けつけていて、毎年たくさんの子どもたちが作品を寄せてくれています。
そして第21回目を迎えた2024年のコンクールは、全国143校から2876枚もの作品が集まりました。どの作品も個性豊かで魅力たっぷりでしたが、厳正なる審査の結果、最優秀賞・優秀賞・特別賞の各賞が決定。団体の部は笠間市立友部小学校4年生(116名)、個人の部は星美学園小学校の富田藍李さん(3年生)が最優秀賞に選ばれました。
今回は、2025年1月に行われた表彰式の様子をお届けします!

団体の部:笠間市立友部小学校4年生が最優秀賞!

小川理事長より賞状・賞品を贈呈

児童代表と菅谷和幸校長(後列左)、小川理事長

団体の部の表彰式は2025年1月22日、茨城県にある笠間市立友部小学校で行われました。会場となった体育館には、受賞した4年生116名をはじめ、多くの先生方や関係者が集まりました。
友部小学校の全校生徒数は686名(2025年1月22日時点)。笠間市では環境負荷ゼロを目指すゼロカーボンシティ宣言をかかげていて、友部小学校でもゴミの削減やフードロス対策など、環境問題へのさまざまな取り組みを進めています。今回受賞した4年生は、総合的な学習の時間に学校給食の牛乳パックからはがきを手づくりし、それぞれの夏の思い出を水性絵の具で表現してくれました。
表彰式では、日本製紙連合会・小川恒弘理事長より代表の児童に、賞状、副賞(図書カード10万円)、参加賞(オリジナルノートおよび宛名つきレターセット)を贈呈しました。

さらに小川理事長は、
「みなさんの作品は、4年生116名が一致協力してつくり上げた素晴らしいものでした。一枚一枚のはがきは厚く頑丈に作られていて、夏の楽しい思い出をカラフルに描ききっています。どの作品も魅力があり、審査員一同がみなさんの作品に大変感心しました。そして、みなさんは学校の授業の中で、SDGsなどに関わる世界のさまざまな問題について、日々勉強をしているとうかがっています。その問題の中で、ゴミを減らすために牛乳パックのリサイクルに取り組み、コンクールに応募してくれたことを、大変うれしく思っています」
と講評を伝え、受賞の栄誉をたたえました。

「リサイクルの大事さについて考えました」

作品を前にインタビュー

受賞した4年生のみなさんに、作品への思いやはがきづくりの感想を聞きました。

「きれいな形のはがきになるよう、紙を細かくするところをがんばりました。夏に乗った船がとても涼しかったので、また乗りたいなという気持ちで描きました」

「はがきづくりが大変だったけれど、みんなで一緒にやるのは楽しく、またつくりたいと思いました。紙がデコボコして少し描きにくかったけれど、味を出そうと何回も塗り直しました」

「はがきをつくってリサイクルの大事さについて考えました。この学校は人数が多くて牛乳パックのごみもたくさん出るけれど、それから絵はがきをつくることで思い出ができ、SDGsの目標にもつながるなと思いました」

と、それぞれが今回の体験で得たものを教えてくれました。
また、副賞の一部や参加賞は児童たちの発案で、ユニセフを通じてウガンダの小学校や、被災した能登半島への支援として寄付されます。

個人の部:富田藍李さん(星美学園小学校3年生)が最優秀賞!

富田さんに賞状を贈呈

左から秋山常務理事、富田さん、竹内さん、星野和江校長

個人の部表彰式は2025年1月24日、東京都北区にある星美学園小学校の放送室で行われました。式には『今年もさいたよ!!』で最優秀賞を受賞した富田藍李さん(3年生)、『あさがおの観察』で特別賞を受賞した竹内こはるさん(1年生)が参加し、その様子はテレビ朝礼で全校に放送されました。

星美学園小学校は1947年設立のミッションスクールです。2人は夏休みの課題として「手づくり絵はがきコンクール」へ参加。それぞれ自宅で牛乳パックから紙をつくり、あさがおを題材にした絵はがきで応募してくれました。
表彰式では、日本製紙連合会・秋山民夫常務理事から富田さんと竹内さんに、賞状、副賞(最優秀賞は図書カード3万円、特別賞は図書カード3000円)、参加賞を贈呈し、審査員からの講評も伝えました。

「あさがおを書いた作品はたくさんありましたが、富田さん、竹内さんの2人とも、あさがおをテーマにしたすばらしい作品でした。富田さんの作品はすいた紙の上に別の紙を貼り合わせてつくられており、あさがおの花びら、葉っぱ、葉脈、そして支柱につたが絡まっているところまで、紙で表現したことが高い評価を得ました。富田さんは1年生の頃からあさがおを育て続けていますよね。富田さんの作品からは、あさがおが今年も咲いてくれたという、うれしい気持ちが私たちに伝わってきました」

「がんばったことを認められてうれしかった」

工夫の詰まった受賞作『今年もさいたよ!!』

受賞者2人にインタビュー

3年生の富田さんは、手づくり絵はがきコンクールに毎年応募してくれていて、2022年の第19回では特別賞に選ばれています。

「1年生の頃にはじめて絵はがきをつくってから、紙のリサイクルになると思って毎年応募しています」
という富田さん。学校で育てていたあさがおがベランダで咲いているのを見て、切り絵で絵はがきをつくろうと考えたそうです。

「ちぎり絵や切り絵が好きなので、お母さんに買ってもらった和紙をちぎって、ねじったり貼ったりしてつくりました。花びらや葉っぱの大きさをそろえたり、自然なフワフワした感じを出したりするため、時間をかけて何回も試しました」
と工夫したポイントを教えてくれました。

最優秀賞に選ばれたことについては、こう喜びを伝えてくれました。
「すごくがんばったことを認められてうれしかったです!」

一方、1年生の竹内さんははじめての応募です。

「夏に育てたあさがおの思い出を絵にしました。工夫したのは、本物のあさがおの花を貼りつけたところです」
と言うように、折り紙を使ったちぎり絵に実物の花も貼りつけ、あさがおの観察を表現しています。

「大きな虫めがねは観察をイメージしました。賞をもらえてうれしかったです」
と笑顔で答えてくれました。

次回は2025年夏に開催!

第21回「手づくり絵はがきコンクール」には、最優秀賞の友部小学校4年生のみなさん、富田さんをはじめ、多くの人に応募してもらいました。児童それぞれが自分たちの手ではがきをつくり、そこに「夏の思い出」を描くことで、リサイクルの大切さ、紙という素材の面白さを感じ取ってくれたのではないでしょうか。さまざまな工夫をこらした作品を送ってくれた参加者と、その活動を支えた保護者・先生のみなさん、本当にありがとうございました。

日本製紙連合会では、紙の魅力やサステナブルな素材としての可能性を伝えるため、これからも「手づくり絵はがきコンクール」を開催していく予定です。すでに参加した人も、この記事では興味を持った人も、次回はチャレンジしてみてください!
なお、入賞作と講評は公式サイトでも公開しています。ぜひご覧ください。