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環境への取り組み

環境対策|排水・排煙処理技術

紙パルプ産業の水利用

紙・板紙生産トン当たりの新水利用原単位の推移

製紙産業は、森林同様の資源である、きれいな水を大量に必要とする産業です。そこで製紙産業ではできる限り新水を使わず水を回収して何回も再利用するなど、節水に努めています。

また排水対策としては、製造工程から出る排水中の汚濁物質を、生物処理(※1)や物理処理(※2)、工場によっては、活性炭や分離膜を用いる高度な技術などにより除去した後に排水し、水を汚さないように発しています。発生したスラッジは、脱水後焼却、場合によってはエネルギーを回収しています。また、残った焼却灰は、セメントの原料や製鉄用保温材などへ有効利用しています。

※1 生物処理 バクテリアなどの微生物の力を借りて排水中の有機物を分解する方法。
※2 物理処理 凝集剤を使って排水中の微細浮遊物や汚濁分を沈殿させ排水をきれいにする方法

排煙処理

酸性雨の原因のひとつとされ、燃料として使用した重油や石炭から発生する硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(Nox)を抑制するために、製紙産業は以下のような対策をとっています。また同様に、煤塵、臭気に関しても常に前向きな対策を行っています。

SOx対策

低サルファ(硫黄)分燃料の使用や排煙脱硫装置の設置など。工場の規模や使用している燃料の種類、工場のある地域の特性を考慮にいれて対策を実施。

NOx対策

低NOxバーナーの採用、2段階燃焼および排ガス再循環による燃焼方法の改善を実施するほか、脱硝装置を設置。

煤塵対策

回収ボイラーから発生する煤塵は一時問題となったが、現在では、湿式スクラバー(排煙中の煤塵に水を吹きかけて除去する装置)や電気集塵機の増強により解決。

臭気対策

化学パルプ(特にクラフトパルプ)工場につきものだった臭気。感じ方には個人差があり、単に法律や協定を守っているだけでは十分ではないと考え、臭気の出る発生源を徹底的に調べると同時に、臭気を集めて燃焼させるなど、発生源ごとに最も適切な臭気対策を実施。